犬の免疫介在性溶血性貧血(IMHA)

広義的には、薬剤誘発性溶血性貧血と同種免疫性溶血性貧血も含みますが、一般的には、自己免疫性溶血性貧血と呼ばれていた病気を指します。

何らかの原因により自己の赤血球に対する抗体が産生され、血管内や脾臓、肝臓、骨髄内で免疫学的メカニズムによって赤血球が破壊されます。

【症状】貧血の症状、発熱等

臨床学的には貧血の一般的な症状(可視粘膜の退色、運動不耐性、呼吸促迫、失神、沈鬱、食欲不振)に加えて発熱、血尿(血色素尿)、黄疸、脾腫、肝腫が見られます。

【原因】赤血球が破壊されるために起こる

赤血球表面に免疫抗体が結合し赤血球が破壊されるために起こります。

自己免疫性溶血性貧血では、自分の赤血球に免疫反応が現れるために起こり、薬剤誘発性溶血性貧血は、赤血球に異物(薬物等)が付着しているために免疫反応が現れ発症します。

赤血球の表面に結合し、脾臓や肝臓で破壊されたり、血管の中を流れながら破壊されたりします。

【治療】免疫抑制剤の投与

免疫抑制療法を行います。

通常は、はじめに副腎皮質ホルモン製剤を用いますが、反応が悪い場合にはその他の免疫抑制剤を併用します。

治療は数ヶ月間続ける必要があり、この間は免疫力の低下による感染症や副腎皮質ホルモン製剤の副作用に注意が必要です。

再発性や難治性の場合には、脾臓を摘出することもあります。

重度の血色素血症や自己凝集が見られるもの、血小板の減少が伴った場合は、予後が悪い傾向にあります。

【予防】早期発見早期治療

具体的な予防法がない病気ですので、早期発見が重要になります。

致死率が高い病気の一つでもあり、発症の約4割が死亡するともいわれています。

異常を発見したら、病院にて血液検査やモニタリング検査等を行い、早期治療を行う必要があります。

赤血球に自己凝集(赤血球同士が結合する反応)が認められる、赤血球表面に抗体が付着していることを証明する検査(直接クームス試験)、赤血球の形態の変化(球状赤血球の出現)などが診断の確定に使われます。

※海外では、コッカー・スパニエル、アイリッシュセッター、プードル、オールド・イングリッシュ・シープドッグなどが好発犬種として報告されていますが、日本では特定の犬種の報告はありません。

それでも、マルチーズ、シー・ズー、プードルでの発症が多いようです。

メス犬の発生率はオス犬の2~4倍と言われています。

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