犬の糖尿病

【症状】多飲多尿から始まり、体重減少・脱水

糖尿病は、すい臓から分泌されるインスリンに基づく代謝性疾患です。
インスリンは体の細胞が糖を吸収したり、肝臓が脂肪やタンパク質を蓄えるのを助けたり、体の各組織で栄養素が円滑に利用されるためになくてはならないホルモンです。

インスリンが不足すると細胞は糖を吸収しにくくなり糖・タンパク質・脂質代謝が悪くなります。
糖が利用されずに血管に留まることになり、その結果血糖となり尿に糖が検出されるようになります。

初期には目立った症状は現れず、病勢がかなり進行してから多飲多尿・食欲不振・嘔吐・脱水・体重減少の症状が現れます。
血中に溜まった多くの糖をどうにか排泄しようとするために、体が多くの水を必要とし喉が渇くために大量に水を飲み、多飲多尿につながります。
水分の補給が尿の排泄量に追いつくことが出来なくなると脱水の症状が起こります。

初期では、尿の量が多くなる為にタンパク質も同時に排出され、それを補うために食欲の増加に繋がりますが、インスリンが足りずに脂肪やタンパク質を蓄えることが出来ずに体重減少にも繋がります。
進行すると、食欲不振になります。

【原因】運動不足や肥満により発生確率が高まる

糖尿病の発生率は0.1%~0.6%と言われています。
人では、インスリン依存性糖尿病(1型)とインスリン非依存性糖尿病(2型)の2種類に分けられますが、犬ではこの分類に当てはめない方がよいとされます。
犬では人の2型に類似した症状が多いですが、これは進行が進んでから気づくため、臨床上では1型に類似した症状の方が多くなります。

遺伝的素因と環境的因子(肥満・感染・運動不足など)が加わって発症すると考えられています。
特に栄養状態に関しては、発生頻度にも関係し、肥満を改善することで症状が軽減するタイプの糖尿病もあります。

【治療】インスリンをコントロールする

糖尿病の治療は「治す」ではなく「コントロールする」という病気です。
基本的にインスリンの投与と食事療法が主で。そこに運動療法が加えられます。

インスリンの投与は、低血糖症に注意し獣医師の指示に従って毎日行います。
食事療法は肥満解消・食物摂取の時間とカロリー含有量を一定にする・食後の血糖変動が出来るだけ少なくする事を目的とした食事を与えます。

【予防】肥満を予防することで多くの疾患を免れる

糖尿病になる原因のひとつに「肥満」が挙げられます。
普段から太り過ぎないように注意する必要があります。
かわいさから多くの食べ物を与えてしまいがちですが、肥満は糖尿病だけでなく多くの疾患の原因になります。

※トイプードルやダックスフンド・テリア・ゴールデンレトリバー・ジャーマンシェパードが他の犬種よりも病気にかかりやすいと言われていますが、基本的にどの犬種でも発症する可能性があります。
メスはオスよりも3倍ちかく発生頻度が高いと言われています。
また、若齢犬よりシニア犬のほうが発生しやすいようです。

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